東京バイパス指令

27話「女獣(にょじゅう)」

ストーリー紹介 小林夕岐子さん出演場面の解説 予告編

『東京バイパス指令』では、すでに5話で小林夕岐子さんがゲスト出演したので、もう出演はないかなと思っていたら、思いがけず出演情報をメールで教えて頂きました。考えてみれば、長期シリーズのドラマでは、同じ人が何度も(違う役で)ゲスト出演することがよくあります。

5話のゲスト出演はチョイ役でしたが、今回は一応、全編に渡って出演しています。ライバルの引退で一躍人気スターに躍り出た歌手「三村まゆみ」役です。でも、残念ながら歌うシーンは出てきません。

本編は、いきなり結末から始まります。顔に包帯をして大きな帽子をかぶった怪しげな女・矢野京子(富山真沙子)が、劇場の裏口から忍び込み、楽屋でメイクアップ中の人気スター・三村まゆみ(小林夕岐子)のところへやって来ます。まゆみが「だあれ?」と振り返ると、京子は「・・・あんたのおかげでこのザマになった矢野京子よ!」と言って顔の包帯を取ります。その顔には、見るも無残な傷痕が。驚愕するまゆみ。京子はバッグからナイフを取り出し、まゆみに襲いかかります。必死に逃げるまゆみですが、階段の踊り場で刺し殺されてしまいます。

事切れたまゆみの姿の上に、「女獣」というサブタイトルが映り、ここからオープニングクレジットが流れます。5話に続いて、タイトルバックを飾った小林夕岐子さんでした(両方とも悲惨な役でしたが)。

さて、この結末の前提となるストーリーを以下に紹介します。


ストーリー

かつての人気スター・矢野京子の回想。三ヶ月前、舞台で公演中の矢野京子の頭上に、何者かが照明を落とした。顔に重傷を負い、芸能界引退を余儀なくされる京子。やがて、その犯人と目された沢田という男が、川で水死体となって発見される。自殺と見るには不審な点が多く、特命刑事たちが捜査を開始する。

矢野京子の引退をめぐって、浮かび上がってきた二人の女。一人は矢野京子のピンチヒッターとして売り出され、現在人気絶頂の三村まゆみ。もう一人は京子と3年前の新人賞を争って敗れた檀上ユリ(堀内美紀)。ユリは、その後は鳴かず飛ばずで、一時酒浸りになっていたが、引退して銀座の高級クラブのマダムに収まり、今も歌い続けている。

特命刑事たちは、まゆみとユリをマークする。北(永井譲滋)はまゆみの付き人として潜り込み、南郷(夏木陽介)はユリの弟・檀上明(山口暁)を巧みに丸め込んで、子分格にする。

南郷は、沢田が殺されていた現場へ明を呼び出す。示し合わせておいた北が、沢田に変装した姿で現われ、それを見た明は「殺ったのは俺じゃない!」と必死に弁明する。沢田殺しと明とはつながりがある事が分かった。そのため、檀上ユリが3年前の新人賞に敗れた恨みから、弟の明とそのチンピラ仲間を使って矢野京子を襲わせたのではないかという推測が持ち上がる。

現在は充実した境遇にあるまゆみとユリに対し、矢野京子の方は、引退以来、生ける屍のような状態であった。今日もまた、死んでやる、と言って大量の睡眠薬を手にする京子。彼女の所属していた事務所の社長で、現在も彼女の面倒を見ている新川修司(蜷川幸雄)が厳しい口調で制止する。「死んでどうするんだ。死ねば喜ぶ女がいるじゃないか・・・」。それを聞いた京子は、檀上ユリへの復讐を決意する。檀上ユリが、3年前の敗北の恨みから、自分に重傷を負わせたのだと思い込んだのである。

京子は、偽名を使って檀上ユリに電話を掛ける。「あなたの弟(明)が、私の妹を妊娠させた・・・」。ユリは明に確認の電話をするが、明には身に覚えがない。不審に思いつつも、指定された別荘に向かうユリ。そこで待っていたのは顔に包帯をした矢野京子。包帯を取ってみせると、醜く焼けただれた傷痕が。思わず顔を背けるユリ。「見るのよ!あんたも同じ顔にしてやる!」硫酸でユリの顔を焼こうとする京子。だがその寸前、南郷が駆けつけ、京子は硫酸の瓶を落として逃げ出した。南郷は明の電話を不審に思ってユリを尾行していたのである。南郷にすがり付いて泣き崩れるユリ。「どうして京子さんが・・・私はクラブのマダムで充分満足してるのに・・・」

檀上明が沢田殺しと繋がるとしても、檀上ユリはシロらしい。椎名部長刑事(宮口精二)は、明の方をもう少し追及することにする。得意の花札で大きな貸しを作り、そこから明の人脈を探ろうとするが、その夜、晴海の倉庫で明は何者かによって殺されてしまう。

責任を感じた椎名は、自ら捜査の突破口を開こうと、今度は三村まゆみの事務所に乗り込み、マネージャーの小山(塩沢とき)を詰問する。矢野京子と声質が似ていたため、彼女の影に隠れてパッとしなかった三村まゆみ。矢野京子が引退してもっとも得をしたのはまゆみである。そこで椎名は、三村サイドは檀上ユリとつながりがあり、かつて明とその仲間を使って矢野京子を襲わせたが、今回足がつきそうになったので明も始末した、と読んだのである。だが、まゆみと小山には、明が殺された当日、福岡にいたというアリバイがあった。

一方、三村まゆみの付き人として潜入した北は、まゆみが新川修司と会うところを目撃する。矢野京子が所属していた事務所の社長である新川は、まゆみとは敵対関係にあったのではないか?ようやく事件が一本の線につながった。

しばらくして、矢野京子の部屋。京子はバッグにナイフを忍ばせ、檀上ユリ殺害に向かうところであった。必死に引き止めようとする新川。そんな二人の前に、沢田に変装した北が姿を見せた。「あんたに殺された沢田良夫だ・・・」驚愕する新川と京子に、北が真相を語る。人気絶頂期の矢野京子が事務所から独立しようとしたので、社長の新川は三村まゆみと手を組んだのであった。事実を暴かれ、北を殺そうと襲いかかる新川だが、南郷が駆け付け新川を取り押さえる。だが、その間に矢野京子の姿が消えていた。今度は、三村まゆみの命が危ない!

三村まゆみが公演中の劇場。まゆみがメイクアップ中の楽屋に矢野京子が現れる。

まゆみ「だあれ?」
京子「…あんたのおかげでこのザマになった矢野京子よ!」

京子はバッグからナイフを取り出すと、まゆみに襲い掛かる。必死に抵抗し逃げようとするまゆみだが、非常階段の踊り場で背中を刺されて絶命する。南郷と北が劇場に到着した時、そこにはすでに事切れているまゆみと、側に立ちすくむ京子の姿があった。


小林夕岐子さん出演場面の解説

小林夕岐子さん演ずる三村まゆみは、ストーリー中あまり前面には出てきません。復讐の鬼と化した矢野京子と、あらぬ疑いをかけられてしまうかつてのライバル・檀上ユリの二人をメインに描き、最後の最後になって、実は裏で糸を引いていたのは・・・というどんでん返し。冒頭の謎めいた殺人劇に繋がってくるわけです。今回の小林夕岐子さんは、ちょっとタカビーな感じがたまらない「人気スター」役。こういう役を見たかったんですよね!


1
矢野京子が三村まゆみを殺害するシーン。冒頭とラストに、同じ映像が使われています。まゆみは白のステージ衣装。矢野京子の突然の襲撃から必死に逃れようとします。楽屋の中でのもみ合い、まゆみも手近にあった物を投げまくり、かなり取り乱しています。彼女は裸足のまま廊下へ飛び出し、屋外の階段から下へ降りようとしますが、途中、踊り場で転んでしまいます。鬼気迫る顔でナイフを突き付ける京子。それでも何とか立ち上がって逃げようとするまゆみの背中をナイフが貫きます。5話「恐喝」に続いて今回も小林夕岐子さんは冒頭で殺されてしまう役でした。



三村まゆみが劇場に車で乗り付けるシーン。入口付近には大勢のファンが待ち構えています。なぜか女子中高生ばかりで、男性ファンがいないのが不思議。三村まゆみは愛想よくサインに応じています。



三村まゆみの付き人として潜り込んだ北。彼とまゆみがファンに取り囲まれるシーン、居合わせたトップ屋の中さん(藤木悠)がまゆみに「ますます人気上昇だね」と声を掛けます。

「おかげさまで」

中「ところで、北のことでちょっと聞きたいんだが」

「とってもいい子よ」

中「実は、北は俺の知り合いなんだよ。面倒見てやってくれないかな」

「まあ、中ちゃんの?いいわ、きっと一人前にしてみせるわ」

それを聞いて、ちょっと複雑な表情(照れ笑い?)でまゆみと一緒に車に乗り込む北。



自動車に乗っているまゆみ。北に運転させています。「一体どこへ行くんですか」と尋ねる北に対し、まゆみは

「あんたは私の言うとおり黙って運転してればいいのよ」

と表情を変えずに命じます。「はいはい」と言われるままに運転する北。川の土手で車を停め、まゆみは川へ降りていきます。ここで彼女が新川修司(蜷川幸雄)と会っているところを目撃され、ようやく事件の真相が見えてきます。今回は普段着っぽい紫のセーターに茶系のスカート姿で活動的なイメージ。ちなみに、ヘアスタイルは登場場面ごとにころころ変わっています。


予告編

最後に、予告編ナレーションを紹介します。冒頭にチラッと、恐怖に怯える三村まゆみのアップが映ります。

ある日、栄光の座から突然地獄へ突き落とされた女。幸運にも一躍スターダムに浮かび上がった女。今もなおひたすらに歌い続ける女。その裏にはどんなカラクリが秘められているのか。ただ復讐の一念に燃えて、女が蠢(うごめ)く。そして特命刑事が。次週東京バイパス指令「女獣」にご期待下さい。




inserted by FC2 system