ブラック・コメディ ああ!馬鹿


シナリオ決定稿。
タイトルは変更になります。

公開年 脚本 監督 出演者
1969年 須川栄三 須川栄三 小沢昭一・高橋紀子・小林桂樹
・西村晃・高橋長英・小山田宗徳

作品について

東宝スタジオ・メールNo.956で、須川監督が本作について「これは状況の喜劇である」という寄稿をされていますので、一部紹介します。

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こんなバカ見たことないという程のバカを描いてみたい。何でこんなバカなことになったかと云う話である。本人は大真面目であり、平凡で気の弱いサラリーマンであり、彼の抱いたささやかな恋心も決して不当だと思えないのに、彼が真面目になればなる程シチュエーションは深刻なオカシサを増して来る。これは彼がおかしいのか、それとも彼を取り巻くまわりの世界がおかしいのか。

ちいさな一つの歯車のカミ合わせが狂った。現代の社会のメカニズムはこの小さな一つの狂いが途方もなく大きな混乱の世界を作り出す可能性を持っており、間違いなく吾々自身その世界の中の危い均衡の中に住んでいる。あなたのまわりの世界は大丈夫ですか?こわれた小さな歯車が廻り出していませんか?

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ブラック・コメディというタイトルの通り、本人にとっては大変な悲劇が起こり、本人が真面目に、必死になってやればやるほど、他人が端から見ると喜劇的な結末への一本道に見えて仕方がない、そんな主人公の、やること成すこと全てが裏目に出る人生を、ユーモアのオブラートに包んで描きますが、本編はどちらかと言うと笑うに笑えない、見ていてちょっと辛い展開でした。終盤、一人黙々と公園の穴掘りをしている主人公・赤沢(小沢昭一)に声をかける警官が、それまで散々赤沢を自分に都合よく利用して来た上司(小林桂樹)に瓜二つだった、という寓意に満ちたシーンの後、本編は半ば突き放したように終わります。

ちなみに本作では、平凡なBGから一変して3人の男を手玉に取り奔放に生きるハレンチ娘・二宮テル子を演じた高橋紀子さんが非常に印象的です。


小林夕岐子さん出演場面

さて、小林夕岐子さんですが、一応本編にはクレジット(それも一番下の方)されています。しかし上記東宝スタジオ・メールのキャスト欄には名前は載っていません。本作は昭和44年作品ですが、この扱いは今もって「(?_?)」という感じです。

今回の役柄はナイトクラブのホステスで、着物姿です。極東ペイント常務・結城(小林桂樹)が、同じく役員の岡田(西村晃)、横橋(細川俊夫)に誘われて、ナイトクラブ「クレオパトラ」にやって来ます。

客席に座る3人。ホステスが3人つきます。岡田がホステス達に結城を紹介すると、結城の右となりに座っているホステス・小林夕岐子さんが

「よろしく、エリです」

とご挨拶します。

横橋が結城を評して「相変わらずこいつは融通が利かん男でね、一向に進歩せんのだ」と言うと、岡田はホステス達に「どうだい一つ誘惑してみたら。頼り甲斐のある男だぞ」と持ちかけます。すると結城の隣に座っている小林夕岐子さん、

「ほんと?頼ってみようかしら・・・」

と結城に甘えてみせます(小林夕岐子さんのセリフはこの2つだけ)。岡田は「こいつをよろめかしたら、車一台買ってやるよ」と調子の良いことを言い、ホステス達は「わあ、私断然立候補するわ」「ねえ、その気になって二人で車山分けしましょうよ」と結城に言い寄ります。ちなみに、画面向かって右に座っていたホステスは森今日子さん(『怪獣総進撃』のキラアク星人も演じています)、真ん中が小林夕岐子さん、左の人は顔がよく見えなかったのですが、もしかすると高橋厚子さんだったかも知れません(クレジットはなし)。



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