プロゴルファー祈子
第22話「勝て!少女戦士」


ストーリー
アジトに用意したパソコンを使って、丸元賢三(長門裕之)のパソコンへのハッキングを図る鏡子(土家里織)。やがて画面上に、様々なデータが流れてきた。3年前の事件の状況、祈子(安永亜衣)の交友関係などの他、殺された元プロゴルファー・時田真介(石橋正次)に関することも記録されていた。時田は賢三に百万単位の金を要求していたらしく、3回目の要求をした3日後に彼は殺されていた。時田はおそらく事件の決定的な証拠を握っており、それを餌に賢三を強請っていたに違いない・・・祈子たちがそんな推測を抱いた時、画面が途切れた。賢三がハッキングに気付いて電源を落としたのだ。その直後、アジトを張っていた剣二(萩原流行)と華粋会の男たちが踏み込み、祈子を捕らえようとするが、鏡子たちの助けで、祈子は間一髪、信也(風見慎吾)と共に脱出する。

時田は殺される前、事件の証拠を誰かに託したのではないか・・・翌日から祈子と信也は、時田の親類の家を訪ね歩いた。そこには既に剣二たちの手が回っていたが、まだ証拠が発見された様子はなかった。祈子と信也が、時田の伯父が勤めている倉庫を訪ねた時、待ち構えていた剣二たちの襲撃を受ける。消火器で目くらましをし、その場を逃れる二人だが、埠頭に出た所で剣二と対峙。格闘の中、手負いの剣二に信也が痛烈な一撃を加え、剣二はその場に膝を落とした。祈子は剣二の頭上に鉄パイプを振り上げる。「お前なんか死んじまえ!」・・・だが祈子が振り下ろした鉄パイプは、剣二ではなく、彼の目前のアスファルトを打っていた。「お前なんか、お前なんか・・・!」祈子は涙を浮かべ、何度も何度もアスファルトを打ち続ける。祈子に人は殺せなかった。「あんたは猟犬なんかじゃない、悲しみを一杯ためた人間なんだ・・・!」祈子は剣二に、魂に光を当てて人間としての喜びを知って欲しい、と言い残し、信也と共にその場を後にした。

証拠探しが暗礁に乗り上げた時、ふと信也は、時田のような周到な男が、他人に容易に推測されるような親族の所に証拠を残すだろうかと思い至る。信也と祈子は、時田の別れた妻の家を訪ねた。彼女の所には、時田からゴルフバッグが送られて来ていたという。中身を調べてみると、あるクラブのグリップが妙に浮いており、グリップを引き抜くと、中にはマイクロフィルムの入ったケースが隠されていた。これが証拠品だったのだ。祈子と信也がフィルムを持って警察に向かおうとした時、剣二が立ち塞がった。警察にフィルムを渡せば信也の母・静子(久我美子)の命は無い、と剣二は脅迫する。華粋会の車に捕らわれている静子の姿を見て、祈子はやむなくフィルムを剣二に差し出そうとした。

「待ちたまえ!」と言う声が響いた。そこに姿を見せたのは高倉(国広富之)だった。フィルムを剣二に渡しても静子が戻るかどうか信用は出来ない、と祈子に忠告する高倉。今や高倉は事件に関して全てを告白する覚悟をしていた。そしてその内容を書いた手紙を銀行の貸し金庫に預けてあるという。高倉は剣二と祈子に、ある提案を持ち出した。フィルムは高倉が預かり、高倉は剣二の側に立って、フィルムを賭けて祈子とゴルフで決着を付けるというのだ。フィルムが公になれば、事件に深く関わった高倉のプロ生命も絶たれる。だから高倉も必死で戦わざるを得ない。丸元社長に無断で勝手な真似をするな、と言う剣二に高倉は、丸元社長は自分が説得する、と断言。高倉の勝負を祈子は受けて立った。

明朝、試合の舞台に集結した一行。今回のルールは公式戦と同じ、但し1ラウンド18ホールである。高倉は祈子に、自らハンデを負うこと申し出た。彼はこの試合を、4番ウッド、7番アイアン、パターの3本だけで戦うというのだ。アマチュア女性の祈子が相手である以上、高倉にもプロとしての誇りがあった。祈子のオナーで試合が始まる。しかし、高倉と祈子の実力差は明らかで、4ホールを終えた時点で祈子は3打差を付けられてしまった。この勝負には、事件の証拠だけではなく、祈子のプロゴルファーとしての未来もかかっている。だが今、高倉の圧倒的な力を前にして、祈子は絶望感に捕らわれ、萎縮する心をどうすることも出来なかった。


ミニガイド
神島祈子は今、万感の思いを胸に、鳴り渡る拍手の中、立ち尽くしています。隠された真実を暴き、父の無実を明るみにすることによって、人の心に傷跡を残してしまう。祈子は知りました。人を憎むことよりも、人を愛することの大切さを。そして祈子は今、皆さんと一緒に青春した思い出を秘め、旅立って行きます。最終回「プロゴルファー祈子」、ご期待ください!


MEMO
今回、佐原健二さん(=丸元利一郎役)のクレジットがありますが、本編には登場しません。

冴子(大沢逸美)や、鏡子のアジトで華粋会の襲撃を受けて負傷した順子(白島靖代)たちが入院している病院。野上敬太郎(中条静夫)と静子が車でやって来て、敬太郎は静子を下ろし、敬太郎は警察庁へ向かう。その時、救急車に潜んでいた華粋会の男たちが、静子を車に押し込み連れ去ってしまう。たまたまそれを目撃した徹が救急車に飛び乗り抵抗するが、やがて路上に振り落とされてしまう。画面には、走り去る救急車の横の歩道を平然と歩いている通行人が映っています。

事件の証拠を賭けた、祈子と高倉のゴルフ対決。高倉と対面した祈子は思わず「先生・・・」と呼びかける。鬼怒川でゴルフの特訓を受けた時から、祈子の心の中で高倉は敵味方を超え、純粋にゴルフの先生という存在になったのである。しかし、今回の最終決戦では、あくまで高倉は自分のプロ生命を賭けて祈子の敵として戦う。圧倒的な実力差を祈子は跳ね返せるだろうか・・・。


テイチク 30CH320 1988年発売、3,000円
安永亜衣「亜衣 LOVE YOU」

1.千億のやさしさ
2.セクシーストリート
3.2秒のデジャヴー
4.モノクロームのヒロイン
5.ガラスのラヴァーズ・コンチェルト
6.素敵なTEARS
7.if
8.ごめんね・・・・・
9.神話のPALM TREE
10.硝子のチューリップ


※デビューシングルは「if/モノクロームのヒロイン」(RE-810、1988年2月2日発売)、2ndシングルは「セクシーストリート/風の楽園」(RE-847)。「風の楽園」のみアルバム未収録

初出・2004年2月25日水曜日




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