プロゴルファー祈子
第18話「友よ安らかに眠れ」


ストーリー
養成所ではその日、プロゴルファーの高倉道夫(国広富之)が臨時コーチとして招かれた。高倉と一緒にラウンドする生徒として、祈子(安永亜衣)と鏡子(土家里織)も選ばれる。そのゴルフコースには、鏡子が祈子に何か仕掛けるのではないかと恐れる花子(松居直美)も来ており、信也(風見慎吾)と共にその行動を見守っていた。

第7ホール、ティーショットでフェアウェイに乗せた祈子に続いて、鏡子がショットしたボールは大きく右へ逸れて林の中に入った。二打目、鏡子が放った鋭いボールは木に跳ね返って、フェアウェイに立っていた祈子の腹部を直撃、祈子は倒れ込んだ。だが、まもなく意識を取り戻した祈子は咄嗟に、自分がぼんやりしていたのがいけなかった、と鏡子の意図的な曲打ちであることには触れず、痛みを押してプレー続行を申し出た。祈子はその時、鏡子への怒りよりも、一流プロゴルファーである高倉のコーチを受けたい一心だったのである。

最後のホールを終えた時、祈子は再び腹部の激痛に倒れ、信也と花子によって病院へ運ばれた。ホールに残された高倉と鏡子。高倉は鏡子が丸元利一郎の娘であることを知っており、祈子を恨むのでは筋違いだと言い聞かせるが、鏡子は考えを曲げない。鏡子は、利一郎殺しの犯人は神島友平で間違いないか、と高倉に念押ししたが、高倉はその問いには「間違いない」と答えた。

祈子が入院している病室。目を覚ました祈子は信也に、鏡子は宣言どおり自分を狙い打ちにしたのだと打ち明ける。しかし、ゴルフのコーチを受けることを第一に考え、鏡子の挑発に乗らなかった祈子を、信也は褒めた。その頃、一緒に見舞いに来ていた花子の帰りが遅いため、鏡子の所へ行ったのではないかと直感した信也は、彼女の後を追う。

花子は、養成所内の倉庫に鏡子を呼び出していた。自分の必死の願いも届かず、ついに祈子に刃を向けた鏡子に、花子は自分が身代わりになると土下座して懇願するが、鏡子はあくまでも祈子への復讐を止めようとはせず、花子の頼みを聞き入れない。そこへ信也が現れ、友平が犯人ではないと鏡子に訴えるが、鏡子は聞く耳を持たず、逆上して信也の腕をゴルフクラブで組み伏せ、その腕をへし折ってしまう。

三日後、退院した祈子が信也の宿舎を訪れると、そこには腕を折られた信也の痛ましい姿があった。信也は、仕事中に崖から落ちてケガをした、と平静を装うが、祈子は一緒にいた花子を問い詰め、鏡子の仕業であることを知る。祈子は、鏡子の挑発には決して乗らないと信也に約束していたが、自分のことなら何とか耐えられても、信也を傷つけられたとあっては、もはや鏡子を許すことは出来なかった。

その日の夕暮れ、ティーショットの練習をしている鏡子の前に、祈子が姿を見せた。「・・・あんたとは、どうしても体で決着を付けなければならないようだね」。祈子は鏡子に宣戦布告した。明朝6時、場所は例の樹海。鏡子も受けて立った。

翌朝、決戦の場所で祈子を待ち構えていた鏡子の前に最初に現れたのは、花子だった。花子はナイフを握り締め、鏡子に突きつけて言った。「あれほど祈子と争わないでって言ったのに・・・こうなったら、あんたを殺るしかないじゃないか・・・!」。鏡子に切り掛かる花子。そこへやって来た祈子は鏡子と花子の争いを止めようとするが、二人がもみ合う中、花子は崖から転落してしまう。地面に倒れた花子の胸にはナイフが突き刺さっていた。

瀕死の花子に寄り添う祈子と鏡子。花子は鏡子に、最後の頼みとして「祈子と友達になって・・・」と声を振り絞って言った。「わかった・・・祈子と争わないで、話し合ってみるよ・・・。友達になる・・・」鏡子は涙を浮かべ花子に誓った。花子は続いて祈子に、必ず父の汚名を晴らしプロゴルファーになって、と言い残し息を引き取った。花子の名を呼ぶ祈子と鏡子の悲痛な叫びが樹海に響き渡った。


ミニガイド
神島祈子は今、友人・花子の優しい心を思っています。自分の命をかけて、私と鏡子との間に刻まれた深い溝を、温かい心で埋め尽くしてくれた花子。彼女へのレクイエムを胸に、祈子は再び真実の道を歩みます。しかし、その行く手に立ち塞がる目に見えない敵は、新たな刺客を送り込んでくるのです。次回「プロゴルファー祈子」、お楽しみに!


MEMO
樹海の中をずんずん歩いているジャージ姿の鏡子。野沢剣二(萩原流行)に呼び出されたのだ。いつ祈子を攻めるのかと問う剣二に鏡子は、自分にはゴルフを利用した殺し技がある、そのチャンスを狙っているのだと答える。剣二は、祈子は憎むべき神島友平の娘だ、と鏡子を煽るだけ煽って去って行った。その後、花子がその場に姿を見せる。祈子のお父さんは犯人じゃない、祈子はその証拠を必死になって探してるんだ、と訴える花子だが、鏡子は信じようとしない。

鏡子「祈子のおためごかしを、お花は信じてるのかい!」

花子「おためごかしじゃない!祈子と話し合ってよ、きっと友達になれる!」

・・・このドラマ、「おためごかし」という言葉が良く登場しますね。

両親によって養成所から家に連れ戻されていた亜矢子(生田智子)は、隙を見て養成所に戻ろうしていたが、お手伝いさんの冬子(松井紀美江)に発見され止められる。祈子と鏡子はいずれ殺し合いをする、その巻き添えにならないよう、旦那様と奥様はお嬢様を連れ戻したのです、と亜矢子に言い聞かせる冬子。どう転んでも祈子と鏡子に生きる道はない、それが亜矢子の父・賢三(長門裕之)の意志だというのだ。その真相を掴むべく、亜矢子はお掃除中の冬子の後頭部を殴りつけ(!)、自宅を脱出し養成所へ向かいます。

病院を退院した祈子は、鏡子と初めて対決した時と同じ、特大サイズの青いジャケットを羽織っている。これ似合ってないです(笑)。また、鏡子との対決の場所に向かう時は、富士の裾野での決戦でも着ていた白いジャンパー姿で、背中には5番アイアンを装着する例の黒い金具が付いている。養成所にも持って来ていたのか・・・。

初出・2004年1月21日水曜日




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