プロゴルファー祈子
第17話「命賭けた闇ゴルフ」


ストーリー
徹(沢向要士)の命を賭けた、祈子(安永亜衣)と華粋会とのゴルフマッチ。その場所には、徹を想う冴子(大沢逸美)も密かに来ていた。祈子の相手は、勝田キョウスケ(穂高稔)。10年前に全日本オープンで優勝した元プロゴルファーである。無類のギャンブル好きが祟ってゴルフ界を追放された男だが、その腕は当時のままだ。勝負はハーフ、9ホール。各ホールでスコアが上回った方に勝ち点1を与えるというルールである。

第1、第2ホールと勝田が勝ち点を挙げ、実力差を目の当たりにして弱気になる祈子だったが、ギャンブルで身を持ち崩した勝田はいつかミスをする、という信也(風見慎吾)のアドバイスで、バーディチャンスが来るまで確実にパーをキープする作戦を取る。第3、第4ホールは両者ドロー。第5ホールで勝田がOBを出し、祈子に初の勝ち点が付いた。第6ホール、幸運なチップインバーディで祈子に勝ち点。2対2で迎えた第7、第8ホールは両者ドロー。勝負は第9ホールに持ち越された。その時、徹の父親である野上敬太郎(中条静夫)が徹のために金を作って祈子たちの前に現れ、勝負を中止するよう求めたが、既に賽は投げられた、と野沢剣二(萩原流行)はその金を突っぱねた。

第9ホール、勝利への焦りからか、祈子のティーショットは、林の中に入ってしまった。運悪くボールは木の根元に落ちており、満足にバックスイングもできない。フェアウェイに戻すどころか、ボールを動かすだけで精一杯の位置だ。諦めかけた祈子に、昨夜、養成所を出る時に聞いた黒木(綿引勝彦)の言葉が甦った。「友平さんは、どんな苦境に立っても心乱すことなく、果敢なゴルフをする人でした」。祈子はクラブを思い切って短く持ってスイングしボールをフェアウェイに戻すことに成功。祈子と勝田はそれぞれ3オンでグリーンの端へ乗せた。勝負はこのパットで決まる。勝田は2パットだったが、祈子は見事に1パットでカップに沈め、祈子の勝利となった。

徹は解放された。そのとき、冴子が、一部始終を陰でずっと見ていた不審な覆面の男にナイフを突きつけて祈子たちの前に突き出した。祈子にはその男の正体が分かっていた。祈子が事件の真相を知ろうとするのを妨げているその男は、丸元賢三(長門裕之)であった。祈子は、必ず父の無実を証明してみせると賢三に宣言して、その場を引き上げた。

ゴルフ場を後にする際、徹に父として詫びる敬太郎。自分の保身のために徹を神島家に預けたことを認め、父親としての責任をこれから果たさせて欲しいという敬太郎だが、徹もにわかには承知できない。祈子は徹と二人だけで話をすることにした。お兄ちゃんは自分の不幸に甘えている、と祈子に指摘される徹。彼自身もそのことは良く分かっていた。だが、徹は祈子への想いを抑えることができず、自分のために信也と別れてくれと祈子に求める。そんな様子を見かねた冴子が、徹の甘えを厳しく非難した。冴子は、もし祈子が負けていたら、徹を助けるために覆面の男を殺して自分も死ぬ覚悟をしていたと言う。「お兄ちゃんを本当に愛しているのは、本当に必要としているのは冴子さんよ。分かってあげて」という祈子の言葉に、徹は涙を浮かべてその場を後にする。お兄ちゃんについててあげて、という祈子の願いに冴子は、養成所には戻らない決心で徹の後を追った。

その夜、養成所に帰った祈子が自分の部屋の明かりをつけると、そこで待っていたのは鏡子(土家里織)だった。「今夜はゆっくり休ませてあげる。だけど明日からは容赦しないからね」と言う鏡子。そんな折、賢三と律子(岩本多代)が娘の亜矢子(生田智子)を連れ戻しに養成所に乗り込んできた。嫌がる亜矢子を見て、祈子も止めに入る。殺人者の娘と、義理の母を殺した女、そんな恐ろしい女が二人もいるところに大事な娘を置いておけるか、と賢三が口走ったことから、祈子は鏡子の過去を初めて知ることとなった。その場にいた鏡子が、自らの口から真相を明かした。鏡子は中学2年の時、継母をベランダから突き落として殺したというのだ。

鏡子の秘密の一端を知った祈子は、鏡子の背負っている運命の過酷さを思って慄然とするものがあった。賢三の悪しき意図に嵌って、祈子は胸の内で震えながらも、生死を賭した鏡子との戦いを予感していたのである。


ミニガイド
神島祈子は今、束の間の安らぎも無いままに、再び司鏡子の鋭い挑戦を受けようとしています。いまだベールに隠された鏡子の必殺技、それはいつどんな時に繰り出されるのか。不安な日々の中で、ショットに乱れが生じる祈子。そして、運命の時。鏡子の刃は遂に花子の頭上に襲い掛かってきたのです。次回「プロゴルファー祈子」、お楽しみに!


MEMO
冒頭、徹は華粋会の物置部屋らしき所に軟禁されていた。自分の借金のために祈子が賭けゴルフの挑戦を受けねばならなくなったことを知り、徹は逡巡する。これ以上祈子に迷惑をかけられない、俺さえ死ねば・・・。ちょうど天井からロープが首吊り用としか思えない形にぶら下がっており、踏み台に持ってこいの荷箱が足元にある(笑)。首を吊ろうとする徹の姿は、こう言っては何ですが、コントみたいに見えました。もちろん、剣二に発見されて止められ、徹は手酷く殴られます。

祈子と勝田の勝負で、ホールごとに勝敗のアナウンスをする剣二。勝田が勝った時は嬉々としているが、両者ドローだったりすると露骨に不機嫌そうな顔(と口調)。実に表情豊かで分かりやすいです。

野沢剣二・野沢冬子(松井紀美江)の兄妹は、親に死なれて餓死寸前の所を丸元賢三に助けられ、高校まで出してもらった恩があるというエピソードが紹介されます。

祈子の実家「あすか」で働いていた室田花子(松居直美)は、祈子の母・保子(音無美紀子)に、店を辞めたいと申し出る。歌手になる夢を叶えたいから、と花子は言うが、彼女の足は祈子のいる養成所に向かっていた。鏡子との因縁なのだろうか?

初出・2004年1月14日水曜日




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