プロゴルファー祈子
第16話「明日なき闘い」


ストーリー
信也(風見慎吾)の幸せを願い、祈子(安永亜衣)は心を鬼にして信也の母・静子(久我美子)を罵倒してみせたが、信也には祈子の本当の気持ちがよく分かっていた。祈子を人生の同志と考えている信也にとって、彼女のために苦しむことは不幸ではなかった。信也は再び養成所の祈子を訪ね、もっと僕を信じろ、僕一人の幸せを願うなと祈子に言い聞かせる。

養成所に、亜矢子(生田智子)の両親である丸元賢三(長門裕之)と律子(岩本多代)が訪ねて来た。亜矢子に届け物をして帰ろうとした時、養成所内に鏡子(土家里織)がいるのを知って、丸元夫婦は驚愕する。鏡子は、自分を悪し様に罵る丸元夫婦に、父・丸元利一郎を巡るいきさつをぶちまけた。利一郎の家や株券は税金対策として丸元物産の名義になっていたが、利一郎が神島友平に殺された当時、鏡子がまだ小娘だったのをいいことに、賢三がその財産を乗っ取ったというのだ。そして、賢三は丸元物産の社長の椅子を狙って、利一郎を失脚させようとしていたことも鏡子の口から明かされる。居合わせた祈子と信也もその新事実を知るところとなった。鏡子は賢三たちに言った。「祈子に恨みを晴らしたら、次はお前たちだ。お前たちの家に乗り込んで、財産は全て返してもらうからな。首を洗って待ってな!」

その日、華粋会の野沢剣二(萩原流行)は、鏡子の養成所入りを報告しなかったことを賢三に厳しく叱責される。憤激する賢三は剣二に、一刻も早く祈子と鏡子を始末しろと命令。剣二は、祈子の兄・徹(沢向要士)を利用して祈子から片付けようと企んだ。その頃、徹はルーレット賭博にのめり込んで自堕落な毎日を送っていたが、その借金が膨れ上がり、一億二千万円にも達していた。剣二は借金の精算を迫り、無理なら死を選ぶ他ないと徹を脅迫。そして、唯一彼が助かる手立ては、祈子が華粋会の選んだプロとの賭けゴルフに勝つことだと言う。祈子に迷惑が及ぶことを恐れる徹は、自分の父が扶桑工業社長の野上敬太郎(中条静夫)であると明かし、敬太郎に金を出させると剣二に申し出る。徹と剣二たちは野上家へ乗り込むが、敬太郎は彼らの要求を拒んだ。

翌日、養成所の祈子の前に剣二が現れ、徹の命が華粋会の手に預けられていることを伝えた。徹の命を賭けたゴルフマッチに祈子が勝てば借金は帳消しにできるが、負ければ徹は自ら死を選ぶことになるという。祈子のプロゴルファーへの道に、またも暗雲が立ち込めた。彼らの話を、徹に想いを寄せる冴子(大沢逸美)も聞いており、彼女は徹を助けて欲しいと祈子に懇願する。ゴルフマッチのスタートは明朝8時。徹を見殺しにはできない祈子は、父の墓参りという表向きの理由でその日の休暇願を出した。

祈子が養成所を出ると、そこには信也が待っていた。「・・・君のキャディーを務めるのは僕しかいないよ。さあ、行こうか」。徹の命は今や風前の灯火である。徹の無事を祈る保子、優子、敬太郎らの願いと共に、祈子と信也は勝負の場所へと向かった。


ミニガイド
神島祈子は今、フェアウェイの彼方に徹兄さんの命を見つめています。元プロゴルファー・勝田キョウスケとのゴルフマッチ。9ホールに渡るこの勝負に、兄さんと私の魂を、祈子は神に捧げて戦います。絶望から希望へ、悲しみから喜びへ、闇から光へ。神よ、祈子を導いてください。次回「プロゴルファー祈子」、お楽しみに!


MEMO
冒頭、パットの練習をしている養成所の面々。祈子のパットしたボールに横からコツンとボールをぶつけて邪魔をする鏡子がお茶目である。

華粋会とのゴルフマッチに赴くため、コーチ主任・黒木(綿引勝彦)の所へ休暇願を出しに行った祈子。表向きの休暇理由として「父の墓参り」と書いていたが、それを見た黒木が、神島友平の思い出を祈子に語った。黒木はプロテストに16回も失敗し続けていたが、17回目に友平から的確なアドバイスをもらって、38歳にしてようやく合格することが出来た。そして友平には今も感謝しているという。「友平さんはどんな苦境に立っても、心乱すことなく果敢なゴルフをする人でした」という黒木の言葉を励みにして、祈子は華粋会との勝負へと向かいます。

初出・2004年1月7日水曜日




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