プロゴルファー祈子
第10話「血鎖の秘密」


ストーリー
ブラックエンジェルから逃れて、林の斜面を転がり落ちて行く中、祈子(安永亜衣)と信也(風見慎吾)ははぐれてしまった。やがて、祈子の前に兄・徹(沢向要士)が姿を現した。徹は祈子に、自分も父の無実を信じており、祈子を狙う華粋会の目的を探るために、あえて剣二の命令に従っているように装っているのだと話す。徹は、信也を探しに行こうとする祈子に、信也なら無事だ、と言って当て身で気絶させ、山中の川原に隠しておいた自分の車へ運びこんだ。

夜が明けた。朝日が水面に映える渓流で、ようやく単なる兄と妹として対面した徹と祈子は、幼少時代に帰ったように無邪気に川遊びに興じた。だが徹はこの時、祈子と二人っきりになったのが実は初めてであるかのような奇妙な感覚を抱いており、祈子の信也に対する気持ちに反発する自分にも気付いていた。

徹は祈子を連れて、自分が用意しておいた隠れ家に向かう。だが、二人の車は華粋会の野沢剣二(萩原流行)に尾行されていた。徹は華粋会に捕らわれてしまうが、祈子はバイクで駆けつけた北斗七星会の鉄男(斉藤隆治)に助けられ、その場を脱出する。

祈子からの連絡で、祈子の母・保子(音無美紀子)は、徹が華粋会に捕まっていることを知る。保子は野上敬太郎(中条静夫)に力を貸してほしいと頼み込むが、敬太郎は、もはや徹のことは自分とは関係がない、と断った。続いて保子はバー「サムシング」を訪ね、ママの大木優子(中村晃子)に頼みに行くがやはり断られてしまう。保子は意を決して自ら華粋会に出向き、徹を返してほしいと剣二に懇願するが、徹はいないと白を切られて追い出されてしまう。そんな様子を、物陰から優子が見ていた。

その頃、敬太郎は丸元賢三(長門裕之)を訪ねていた。賢三のツテを使って華粋会に囚われている或る青年を救ってほしいと依頼する敬太郎だが、賢三はこれを撥ねつけた。また一方、信也には北斗の鉄男から連絡があり、祈子は一人で華粋会に乗り込むつもりだと聞かされる。

その夜、華粋会の事務所。徹は拷問を受け、地下室に囚われていた。事務所に忍び込む人影、それは優子であった。その頃、祈子も5番アイアンを手に華粋会に向かっていた。地下室に辿り着いた優子は徹を助けようとするが、そこへ剣二が姿を見せる。馴染みの店のママに過ぎない優子が、なぜ徹のためにここまでするのか。剣二に詰問され、優子は遂に真相を語り始めた。徹は優子が産んだ子だったのである。

ちょうど地下室にやって来た祈子も、廊下でその話を聞いてしまった。動揺した祈子は5番アイアンを床に落とし、剣二に気づかれてしまう。剣二は逃げる祈子を追って部屋を飛び出した。祈子は階段を上がった廊下でボールをセットし、剣二を待ち受ける。祈子の打ったボールは鋭くホップして剣二の左胸に命中、剣二は倒れた。「馬鹿野郎!!」祈子は叫ぶと、そのまま外へ飛び出した。実の兄と信じて疑わなかった徹の出生の秘密に触れて、胸の中に波打つ怒りとも悲しみとも分からぬ激情に追われるかのように、祈子は闇雲に走り続けていた。


ミニガイド
なし


MEMO
今まで劇中で断片的に描かれていた神島保子・徹・野上敬太郎・大木優子の複雑な関係が、ようやく一本の糸に繋がります。優子の回想シーンで、徹が神島友平・保子に貰われていく様子が描かれますが、これを見ると神島夫婦も随分冷酷だと思う・・・。

川遊びに興じる祈子と徹。黒のジャケットを着たままズボンの裾をまくって川に入っている徹・・・ブラックエンジェルの時とのギャップが微笑ましい。

徹が囚われている華粋会の事務所。部屋で雑談している組員たちの前に剣二がやって来て、唐突に言う。「・・・祈子が来るぞ!」。「まさか・・・?」と戸惑う組員たちだが、剣二は構わず続ける。「・・・俺には祈子の心の動きがよく見えるんだ。祈子という女、兄貴が殺されそうになってるのを黙って見過ごすなんて出来ねえ性分さ。・・・まあ夜中過ぎだろう。お前たち、今のうちにメシ食って来い」

言われる通り食事に出る組員たち。「兄貴は?」「・・・俺はここで見張ってる」。祈子のことなら何でも知っている、そして実に子分思いな剣二アニキでした。

ビルの谷間、ショットしたボールをビリヤードのようにコンコンと壁にぶつけて器用に見張り二人を同時にやっつける祈子。接近戦だと大の男には苦戦する祈子だが、相手との間に十分な距離があり、かつボールを持っている場合ならばまさに敵無しです。

初出・2003年11月19日水曜日




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