プロゴルファー祈子
第8話「バンカー蟻地獄」


ストーリー
3年前の事件当日のキャディーは瀬戸久仁子と堂島兼子。しかし、二人とも事件の後、北関東ゴルフクラブを辞めており行方が分からなくなっていた。

祈子(安永亜衣)と信也(風見慎吾)は、まず瀬戸久仁子の息子を訪ねるが、息子である彼も母親の行方を知らないという。不審に思った二人は、彼が妻子と共に下田に出かけるのを尾行し、下田で瀬戸久仁子と会うのを突き止めが。だが二人が瀬戸久仁子に事件のことを尋ねても、彼女は頑なに口を割らない。だが、彼女の孫が海に落ちたのを祈子と信也が助け出したことから、重い口を開いた。瀬戸久仁子は、直接は事件を見ていないが、堂島兼子から大体のことを聞いたという。だが事情があって、その内容は話せないらしい。そこで二人は、堂島兼子が勤めているゴルフ場を聞き出し、そこへ向かった。

兼子がいる伊豆オーシャンゴルフクラブを訪れ、彼女に話を聞く祈子と信也。だが彼女の話にも、祈子にとっては腑に落ちない点があった。疑問をぶつける祈子に、兼子はゴルフの勝負を持ちかける。祈子が勝てば、兼子は自分が知っていることを一つ教えるというのだ。その代わり、祈子が負ければ賭け金として30万円を払うという条件である。祈子は受けて立った。

勝負はワンホールマッチ。2番ホール、パー3、143ヤード。兼子は5番アイアンで無難にグリーン周りのバンカー手前に落とした。引き分けでは意味がない。祈子はウッドの5番を使いグリーンに直接乗せようとするが、ボールはグリーンを転がってバンカーへ吸い込まれてしまった。第2打、兼子は確実にピン横へ寄せる。一方、祈子はバンカーからバーディを狙った。自分がこんな人に負けるはずがない、その慢心から、祈子のショットは再びバンカーに飲み込まれる。

兼子のパーパット、彼女は難無くカップに沈めた。同じくパーを狙う祈子だが、バンカーから直接カップインはならず、祈子の負けが確定。無残な敗北を喫し、祈子はうなだれた。祈子の心には、自分の天分への驕りがあったのではないか。信也に指摘され、祈子はもう一度一からゴルフの練習を始めることを決意する。

そんな頃・・・鑑別所を脱走していたレディースブラックの大崎冴子(大沢逸美)は、逡巡の末、祈子とゴルフで決着をつけることを期して更生を誓い、鑑別所に戻った。将来、彼女は祈子の好敵手として再び現れるのだろうか。


ミニガイド
神島祈子は今、敗れ去りし者のほろ苦さを味わっています。しかし、信也さんの無言の励ましが、痛く、優しく包んでくれる伊豆の浜辺。もう一度戦いたい、堂島兼子さんと。それがプロゴルファーへの第一歩を刻む道しるべとなることを、私はいま感じるのです。次回「プロゴルファー祈子」、お楽しみに!


MEMO
事件当時のキャディー・瀬戸久仁子は昭和14年6月15日生まれ、堂島兼子は昭和12年8月20日生まれ。瀬戸久仁子の当時の証言は「フェアウェイでカートを押していたので事件には全く気付かなかった」、堂島兼子の当時の証言は「林の中でボールを捜すのに夢中で事件には気づかなかった」。

堂島兼子との勝負に30万円の賭け金を要求される祈子。北斗七星会会長の頃ならばその程度の金は右から左へ動かせた祈子だったが(第2話)、今では「そんな大きなお金・・・」と尻込みしてしまう。しかし幸い、信也が用意してくれることになる。

初出・2003年11月5日水曜日




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