おれは男だ!
第27話「剣の心はお茶ごころ!」


ストーリー
明石さくら校長(京唄子)の肝いりで、青葉高校に着任した藤宮あずさ先生(武原英子)。校長の狙いは、藤宮先生の魅力で剣道部を骨抜きにし、ゆくゆくは全ての運動部を廃止に追い込み、青葉高校を女子校にする野望を達成することであった。

藤宮先生は茶道部を創設、同時に剣道部・バトン部の部長となるが、美人の藤宮先生に引き寄せられた剣道部員たちは、次第に剣道よりも茶道の方に傾いてゆく。インターハイ出場をかけた県大会を間近に控えているにも関わらず、剣道部の士気は下がるばかり。キャプテンの弘二(森田健作)とマネージャーの麻里(有吉ひとみ)は、藤宮先生のやり方に疑問を抱く。同じくバトン部でも、操(早瀬久美)以外の部員はすっかり藤宮先生に心酔して茶道にのめり込んでしまい、操も困惑していた。

だがある時、操は校長室で、順調な計画進捗について藤宮先生を労う校長の姿を目撃。また、麻里は校長が密かに焼却処分しようとしていた証拠書類を発見する。それは、校長の母親からの手紙で、藤宮先生を利用して運動部の骨抜きを図るように、との指示が書かれていた。

この証拠を持って藤宮先生を追及しようとする操と麻里だが、弘二はその前に藤宮先生に剣道での勝負を申し入れた。藤宮先生は、もし自分が勝ったら、全員県大会まで竹刀を持ってはならない、という条件を出す。薙刀で弘二と対決する藤宮先生。勝負は意外にも藤宮先生の一方的な勝利であった。だが、その場へ麻里が飛び出し、校長が処分しようとしていた手紙を藤宮先生に見せた。文面を見た藤宮先生は何も言わずに校長室に向かい、校長を問いただして、招聘の真意を知ることになった。そこで藤宮先生は、運動部に対して校長は一切干渉しないという約束を逆に取り付ける。

だが一方で、約束どおり、剣道部員たちは藤宮先生によって竹刀を持つことを禁じられた。その日から、藤宮先生による、竹刀なしでのトレーニング及び精神修練が開始され、ついに県大会の当日を迎えた。

当日の朝、念願の竹刀を手にした部員たち。その喜びが力の源泉となり、決勝戦に進出、宿敵の相沢高校と対決する。2対2で迎えた大将戦、そこへ、思いがけない人物が応援に駆けつけた。明石さくら校長だ。藤宮先生の言葉に動かされ、居ても立ってもいられなくなったのである。「小林君、負けたら承知せんで!」。弘二vs丹下竜子(小川ひろみ)の宿命の対決は弘二が勝利し、青葉高校はインターハイ出場を決めた。

試合後、竜子から、なぜ大会直前まで竹刀を持たせなかったのかと尋ねられた藤宮先生。

「あなたが考えているような特別な理由はございませんわ。ただ、彼らに試合の時、竹刀を持つ喜びだけを感じていてもらいたかった・・・」


MEMO
校長の手先として招聘された藤宮あずさ先生でしたが、本当は心の広い、そして深い教養と生徒への愛情を持った素晴らしい女性でした。剣道部員が心を奪われてしまうのも無理はありません。

冒頭、不良学生に絡まれている藤宮先生。そこへ丹下竜子が颯爽と現れるカット、太陽をバックにした凛々しい顔が実にカッコイイ!

茶道部の部室で、ずらりと正座して藤宮先生の講話を聞いているバトン部と剣道部の部員たちは、完全に藤宮先生に陶酔。そこへ飛び込んで来た弘二を一様にとろーんとした目で見つめる。全員の怖い視線を浴びせられて弘二も思わずそこに正座して講話を聞く羽目になってしまうのでした。でも、藤宮先生の説く茶の心は、茶道に限らず、あらゆる場面で応用可能な教えであったのです。

夜、証拠書類を焼く校長たちをこっそり見ている長沢麻里と西村。そろーりそろーりと接近する有吉ひとみさんのコミカルな演技が最高!

スナック「セブン」に屯しているバトン部員たちはみんな茶道にかぶれてしまい、浮かない顔の操。そこに、これまた口を尖がらせて、説明不要なくらいに「浮かない顔」で現れる麻里。有吉ひとみさんはホントに表情が豊かです。

ランニングをしている剣道部。先頭を行く麻里の「ふぁいっとぉ!」の掛け声、語尾が右肩上がりで実にイイです!

県大会決勝戦、弘二vs竜子の決まり手は胴。リプレイが流れますが、「スロー・モーションでもう一度」というテロップには恐れ入りました!

藤宮先生との約束で、県大会当日まで竹刀を持たず、座禅や陸上トレーニングを続ける剣道部員たち。一連のシーンのバックに流れるのは「友達よ泣くんじゃない」のインストゥルメンタル。『おれは男だ!』後半に多い、青春の苦悩を描いたドラマで効果的に使用されます。


「友達よ泣くんじゃない」ジャケット。発売は1972年1月25日。



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