おれは男だ!
第6話「号砲一発まっしぐら! 」


ストーリー
弘二(森田健作)らの剣道同好会は晴れて部に昇格したものの、予算も部室もなく、部員たちは外から丸見えの物置で着替えをしているような有様である。そして彼らには、予算要求書の提出期限も知らされていなかった。偶然この情報を田村(三城康裕)がバトン部の部室で立ち聞きし、弘二は辛うじて委員会へ予算書を持ち込んだが、少数派である剣道部の要求は、議長の小野夏子(小野千春)を始め各クラブ代表者の前に封殺されてしまう。部員数わずか10人では、そもそも部室を要求する資格もないと言うのだ。

ちょうど校内では各クラブによる新入生の勧誘が花盛り。剣道部員たちも新入部員の獲得に力を入れる。質より量、男でも女でもともかく数を確保しなければならない。新入生の前で弘二が見せた居合抜きのカッコよさに惹かれてか、女子が殆どとは言え総勢58人の新入部員が集まった。だが2日目の予算委員会では、果たして何人残るか分からない、として剣道部の部室要求はやはり認められなかった。そこで弘二は、3週間後の新入生歓迎大マラソン大会で剣道部員が何人完走できるかによって、要求の可否を決するよう提案し、これが認められた。

多くの女子部員が入部した剣道部だが、早くも脱落者が続出。見かねた弘二は、相沢高校剣道部の女主将・丹下竜子(小川ひろみ)にコーチを依頼した。彼女の凛々しい稽古姿は女子部員の励みとなり、部の士気も向上。その様子を察知した夏子は危機感を募らせ、バトン部の岡村千恵(降旗文子)と佐々木英子(大谷照代)をスパイとして剣道部へ送り込む。剣道部の男子部員たちを女性の甘い誘惑で懐柔し内部から骨抜きにしようという作戦だ。だがその企みはやがて弘二の知るところとなり、彼は厳しい稽古によって千恵と英子を追放。そして部員たちに、気を引き締めて稽古に打ち込むよう檄を飛ばす。

そんな折、剣道部の新入部員・倉野町子(津山登志子)が練習中に倒れた。その日彼女は朝から体調が悪く、何も食べていなかったという。だが、部員たちが無理に練習をさせたため容態が悪化し、彼女は救急車で病院へ運ばれる。このことが校内で問題となり、夏子が校内放送で剣道部を糾弾するキャンペーンを展開したため、ついに剣道部の新入部員は全員が退部してしまった。

弘二は事件の反省と町子への償いとして、その日から断食することを部員たちに提案。だが4日後にはマラソン大会が控えている。新入部員がいなくなり、部室獲得の前提である部員数を充足できなくなった今、もはやマラソン大会に完走しても無駄であり、また断食していては勝てるはずもない。だが、弘二は部員たちに向かって言う。

「男には、負けると分かっている戦いでも、戦わなければならない時がある。部室が欲しい、予算が欲しい、そんな事を賭けて走るよりも、ずっと意味があるじゃないか!」

弘二は断食もマラソン大会への参加も各人の自由意志に任せたが、弘二と共に実行することに全員が同意した。

マラソン大会当日。案の定剣道部員たちは力が出ず、大きく遅れを取ってしまう。トップでゴールしたのは操だった。剣道部員たちが折り返し点を最下位で通過したという知らせを聞き、もはや彼らは完走も覚束ないと見て、夏子と操はほくそ笑む。そんな時、町子が二人に、剣道部員たちが4日間の断食をして走っていることを打ち明けた。町子は大会前に偶然、田村から断食の事を聞いてしまい、彼からは固く口止めされていたのだが、剣道部員たちが心配でならなかったのだ。

やがて、棄権かと思われた剣道部員たちの姿が、ゴールで待つ生徒たちの目に飛び込んできた。フラフラになりながらゴールへ近付いて来る彼らを、惜しみない拍手が迎える。自らに課した試練を乗り越えた弘二たちの表情は充実感に溢れていた。

翌日。マラソン大会に完走しても、部員数不足という現実は変わらない。部室獲得は成らなかったが、物置に真新しい剣道部の看板を掲げる弘二の表情は晴れ晴れとしていた。だが、剣道部を目の敵にする生徒会やバトン部の抵抗はまだ終わらないのだ。


MEMO
弘二たちが断食をしてマラソンに参加しているという真相を町子から聞いた夏子と操。二人は心を動かされながらも、立場上剣道部に対しては強がって見せなくてはならない(ちなみに弘二たちは、断食のことを二人が聞いていたとは知らない)。ラストで夏子と操は、自分たちはあくまで剣道部に敵対する、という棄て台詞?を残して去って行くのですが、いかにも悔しそうなその姿は可愛らしくもあり・・・(笑)。今回のように典型的な「剣道部vsウーマンパワー」図式で描かれるエピソードは理屈抜きに面白いです。

剣道部の新入部員・清水広子を演じている新井春美さんは、36話「星の国から来たあいつ!」の織田ユリエ役・新井麻夕美さんと姉妹?らしいです(連合通信社・刊「タレント名簿録 1975年版」に掲載されている二人の自宅住所は同じ)。

予算委員会に殴り込んだ弘二と田村に対し、議長の小野夏子は冷ややかに言い放つ。「剣道部?そんなのが出来たらしいわね。その辺へどーぞ」。ツンとすましたイヤミな台詞回しが何とも魅力的で、強烈なインパクトを持つ横暴生徒会長ですが、メガネを取るとかなりの美人です。

今回は既に剣道「部」に昇格しているはずですが、弘二のセリフで一箇所「剣道同好会」となっている部分がありました。




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