マドモアゼル通り
第22話「落ちて行く星」


キャスト
紀比呂子/黒沢のり子/徳永れい子・山田はるみ/渡辺ふみ子・松平健/内山朋子・寄木慶子・宮田弘子/河野順子・大場博美・橋本恵美子・(ナレーター)中村正/山口暁・桐生かほる/吉田未来・朝比奈尚行/岡本信人・小林幸子/山口哲也・服部マリ


ストーリー
家紋シャツの販売はその後も継続していた。裕子は岡本女史(服部マリ)から直ちに販売を中止するよう命ぜられるが、自分の店で自分のデザインした商品を売って何が悪いのかと反論する。岡本女史は裕子にある新聞記事を見せた。他人が家紋シャツを既に意匠登録申請しているというのだ。申請者は竹見(山口暁)である。家紋シャツは自分のデザインであると主張する裕子だが、意匠登録はしていない。そこが問題なのだ、と岡本女史に指摘される裕子。商売の世界では裕子の理屈は通用しないのだ。

裕子の仲間たちが竹見の意匠申請について調べてきた。実際のところは、まだ申請が受理されたというだけで、実際に登録が認められるまで1年はかかる。それまではいくら売っても構わないし、たとえ裁判になったとしても、これまた判決までに何年かかるか分からない。それを聞いて裕子は胸を撫で下ろすが、裕子が警告を無視して販売を続けていることに業を煮やした岡本女史は咲子(山田はるみ)に連絡。咲子は、後はこちらでやるわ、と言って電話を切った。その傍らにいた竹見は「いよいよ、私の出番のようですな」と動き出そうとするが、咲子が制止した。「そんなに慌てなくてもいいわよ。おいしい獲物はじっくり時間をかけて・・・ね」

“FULL FULL”に裕子と仲間たちが集まっていた。竹見が申請を出した日は昭和48年5月2日、即ち裕子が家紋シャツを売り出した翌日である。竹見は初めから彼女のデザインと知って申請しているのだ。裏には何かあるとチエ(小林幸子)は危惧していた。

家紋シャツの販売はその後も続いていたが、ついに咲子と竹見が店に乗り込んできた。彼らは、家紋シャツが意匠権侵害であると主張し、水面下で裕子に要求していた3つの条件を改めて突きつけた。その条件とは、第一に、今後一切家紋シャツを販売しないこと、第二に、今日までの売上げを全額引き渡すこと、第三に、裕子がデザインの盗用を認めて謝罪状を書くこと。店内にいた広美やヒデコ、そして騒ぎを聞いて美容室から駆けつけたスミ子(黒沢のり子)は憤慨するも、裕子は、これ以上周りに迷惑をかけられない、と謝罪文に署名しようとする。その時、一同の前にチエが現れ、咲子に詰め寄った。チエは、5万円出すから家紋シャツのデザインを持ち出して欲しいと言ってきたのは何処の誰だ、と咲子を追及、白を切る咲子だが、チエが証拠の録音テープを見せたため、咲子たちは歯軋りしながらその場から引き下がった。

最悪の事態は避けられたが、結局、堀部美容室のマダムの意見によって、裕子はブティックを辞めさせられてしまった。スミ子も連帯責任で本店へ戻ることになり、主任の地位も失われる。二人でトータルファッションの店を持つという夢は無残に消えてしまった。落ち込んでいるスミ子を励まそうとする裕子だが、スミ子は「もう放っといて、私を一人にして」と裕子の前から去って行った。

一人マドモアゼル通りを歩いている裕子。そこへ、咲子の運転するスポーツカーが停まった。裕子が今頼りにしている黒沢(山口哲也)は、咲子によると、長い旅に出ているという。そして、咲子も近くパリへ発ち、デザイン大賞に向けて本場で最後の仕上げをして来るというのだ。度重なるショックに裕子の胸は激しく揺れていた。ともすれば挫けようとする心を懸命に堪えて、裕子は町をさまよい歩く。そのとき、ふと故郷の山梨・下部のポスターが目に入った。

その夜、裕子は失意のまま故郷へ向かう列車に揺られていた。目を閉じると、遠い未来にいつも明るく浮かんでいた大きな星、今それが光を引いて落ちて行くのを、裕子は見たような気がした。


予告
(ナレーションは無く、登場人物のセリフのみ)「三上の家の跡取りなんだから、婿を取って家を守っていけばいい」「・・・お母さん・・・」「エミー中原。個性が無いなぁ」「・・・先生!」


MEMO
あ!ブティックに並んでいる商品の中に、クロード片山が裕子の為に作ったジャケットが!(笑。第13話「喝采のあとに」参照)

今回も含めて、本作では何度かCX「金メダルへのターン!」(1970年)の音楽が流用されています。「金タン」の音楽担当は渡辺岳夫氏。本作の音楽担当・松山祐士氏とは多くの作品でコンビを組んでいます。ちなみに本作では、同じく松山氏が担当した東京12ch「高校教師」(1974年)を思わせる旋律が時々現れます。

咲子がチエの示した録音テープを付き付けられて敗北するシーン。チエが裕子の味方であることは明らかだったはずなのに、そのチエに家紋シャツのデザインを持ち出すよう依頼するとは、策士・咲子にしては余りに迂闊であったと言わざるを得ません。咲子は以前(第4話「クリスマス大作戦」)チエに痛い目に遭わされているのに・・・。今回はその点だけ、やや脚本に詰めの甘さを感じました。

ブティックでBGMを流したところ、もっと上品な音楽にしなさい、と岡本女史に注意されたミツオ。そこで、近くにあったテスト盤をプレーヤーにかけたところ、流れてきたのは何と御詠歌。岡本女史は怒り狂ってブティックに乗り込んできます。それにしても、どうして御詠歌のレコードがブティックに置いてあるのか・・・?

今回の参考法令。
意匠法 第69条
第1項 意匠権又は専用実施権を侵害した者は、三年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。
第2項 前項の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。 

初出・2001年11月8日木曜日




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