マドモアゼル通り
第18話「あの星に挑戦!」


キャスト
紀比呂子/黒沢のり子/徳永れい子・山田はるみ/渡辺ふみ子・谷岡行二/麻乃茉莉子・遠藤孝子/豊村真理子・岩本愛子・関川千津子・(ナレーター)中村正/清水美佐子・五月晴子・石山克己/泉洋子・松風はる美・名川貞郎/服部マリ・吉田未来/山口哲也・小林幸子


ストーリー
黒沢(山口哲也)と一緒に、富士五湖から再び東京へ帰ってきた裕子(紀比呂子)。黒沢は自分の友人の所を裕子に紹介すると言うが、裕子は、先生の気持はありがたいけれど、一人でやってみたい、と黒沢の申し出を断り、行き先も告げずに一人雑踏の中に消えていった。

さて、裕子の親友・スミ子(黒沢のり子)が勤めている「堀部美容室」では、新しく支店を出すことになった。支店の主任の候補として、スミ子ともう一人、彼女の同僚・水野キョウコ(吉田未来)の名前が挙がっていたが、マダムはスミ子を強く推していた。支店の支配人(服部マリ)はキョウコの方に肩入れしていたが、マダムの意向には逆らえず、主任はスミ子に決まった。また、支店では美容室と一緒にブティックも併設することになり、店を任せられる人を探しているとマダムから聞いたスミ子は、すぐさま「ぴったりの人がいます!」と叫んだ。三上裕子である。スミ子が裕子のことをマダムに紹介すると、緒方の研究科にいたということで、マダムも快諾する。だが、肝心の裕子の居所が分からない。

当の裕子はその頃、駅のホームで結婚衣裳のコンサルタント募集の看板を見つけ、これに応募し、結婚式場「富士観光館」に採用された。裕子はまだコンサルタントの経験がなかったので、有名な先生がウェディングドレスのコーディネートをする現場を見学することになる。胸元が何か物足りない、と新婦が言うのを聞いた裕子が「アクセントが欲しいんですね?」と尋ねると、新婦はその通りだと答えた。裕子が適当なアクセサリーを選んで胸に着けたところ、新婦には喜んでもらったが、裕子が口を挟んだことで先生のご機嫌を損ねてしまい、支配人にも迷惑をかけてしまう。初日から出過ぎた真似をしたと判断され、裕子は翌日から支店勤務を命じられる。

支店にはコンサルタントの仕事はなく、宴会場の仕事をすることになるが、いきなり職を失うわけにも行かず、裕子は指示通り支店へ移った。支店では、炊事場の手伝いや館内の掃除、宴会場へのお料理運びなど目も回るような忙しさだが、親しい友人もでき、裕子はそれなりに充実して働いていた。そして仕事が終わると、「デザイン大賞を狙うんだ」という黒沢の言葉を思い出し、夜中までデザインブックに向かった。

ある日、パーティー会場の洋室へグラスを運んできた裕子は、その席に何と片岡咲子(山田はるみ)たちの姿を見た。裕子はグラスを置いて足早に去ろうとしたが、それに気付いた咲子の友人・小野沢孝子(麻乃茉莉子)が裕子を呼び止めた。今日のパーティーは、咲子の助手昇格のお祝いだという。「三上さん、あなた音頭とってくれない?」と、咲子は裕子にグラスを渡し、ワインを注いだ。裕子は言われるまま「おめでとう」と杯を上げるが、グラスには口を付けず、そのままテーブルに置いて立ち去ろうとする。だが咲子は鋭い口調で彼女を呼び止め、今度は孝子が裕子のグラスにワインを注いだ。咲子が続けて裕子に言う。「さあどうぞ。飲んだらスピーチお願いするわ」。裕子は咲子を真っ直ぐ見据えて口を開いた。「片岡さん、助手昇格おめでとう」。裕子の口からそれを聞き、うっとりと優越感に浸る咲子。だが裕子は、続けて咲子にこう宣言した。

「私は負けない。日本デザイン大賞は必ず私が取るわ!」

思わぬ裕子の発言に会場は騒然となるが、たまたま友人の結婚式で来ていたチエ(小林幸子)がその場に現れ、裕子に喝采を送る。チエは裕子のグラスを一気に空けてしまい、会場で孤立無援だった裕子にも笑顔が戻った。

しかし、裕子は結局、上得意客である咲子のパーティーで失礼を働いたとして、富士観光館を解雇されてしまった。当てもなく道を行く裕子だったが、その時、彼女の名を呼ぶ友人たちの声が聞こえてきた。広美(徳永れい子)とヒデコ(渡辺ふみ子)、そしてスミ子が、チエから裕子の居所を聞いて探し回っていたのだ。彼女たちは、一刻も早く裕子に伝えたい吉報を持っていた。裕子にブティックを任せるという話である。


予告
「マドモアゼル通り」次週は・・・。思わぬことから裕子はブティックの主任を任されることになった。そしてスミ子は美容室の主任を。トータルファッションの夢に大きく一歩近づいた裕子とスミ子。しかしまだその道は厳しい。どうぞご期待ください!


MEMO
咲子の助手昇格祝いのパーティーに出くわしてしまった裕子。しかも彼女は、お客である咲子のために乾杯の音頭を取らされ、スピーチまで求められる。圧倒的に優位な立場にある咲子は、実に心地よさそうに裕子を嘲笑し、彼女に屈辱を与えることで悦に浸っている・・・。このシーンの咲子と裕子のやり取りは、正に今回の白眉です。

裕子が見つけた募集看板は、「求む 結婚衣裳コンサルタント 和洋裁経験者優遇・寮完備 ロイヤルウェディング富士観光館 二子玉川園駅前 TEL 700-4171(代表)」

裕子が回された支店の窓からは、何と緒方服飾デザインスクールが見える。廊下の掃除をしながら、裕子は懐かしい学園を遠い眼差しで眺めます。支店で、裕子には千春という友人が出来ます。千春を演じるのは「サインはV」の“ミリ”こと泉洋子さん。彼女はここで働いて2ヶ月で8,000円貯めたという(1973年当時)。

裕子の親友・スミ子にも強力なライバルが登場。水野キョウコ(吉田未来)は、スミ子と共に支店の主任候補と目されていましたが、一足早くスミ子が主任になったことで、その対抗心に火がつきます。しかし、支店の支配人(服部マリ)はキョウコの方に肩入れしており、マダムの一存で主任になったスミ子にはあまり良い印象を持っていない様子。微妙な立場に立たされたスミ子の前途は果たして?。それにしても、NET『ダイヤモンド・アイ』(1973年)でも敵味方となる黒沢のり子さん(カボ子役)と吉田未来さん(魔倫役)が、美容師のライバル同士で登場するとは面白いです。本作にまた一つ楽しみな要素が加わりました。

初出・2001年10月11日木曜日




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