マドモアゼル通り
第12話「デザイナーへの別れ道」


キャスト
紀比呂子/徳永れい子・山田はるみ/渡辺ふみ子・麻乃茉莉子/松平健・井上孝・遠藤孝子/建部道子・紅理子・下川清子/遠藤栄美子・池田純代・(ナレーター)中村正/夏海千佳子・森るみ子/岡本信人・小林幸子/桜むつ子/藤木孝


ストーリー
ヴィラカトレア寮に、クロード片山(藤木孝)という男が裕子を訪ねてきた。彼は緒方信介(大和田伸也)の友達(=大学の先輩)で、裕子(紀比呂子)に信介の伝言を持ってきたという。裕子を寮から連れ出す片山だが、信介の伝言というのはたった一言「裕子さんのことをよろしく頼みます」というもの。これを片山は拡大解釈し、即ち信介は当分日本に帰れそうも無いから裕子さんを先輩に譲る、裕子さんのボーイフレンドになって相談に乗ってやってくれという意味だと言って裕子に付きまとう。

思い過ごしもいい所だわ、と呆れて帰ろうとする裕子。片山は彼女に振り払われて転んだとき、ズボンのお尻が破れてしまった。見かねた裕子は、縫ってやることにするが、寮は男子禁制のため、片山はズボンを脱がされ、外でパンツ一丁のまま待たされる羽目に。寮生たちはベランダに勢揃いし、好奇の目でその一部始終を眺めていた。

翌日、フランス語の授業は講師が休みのため、代わりにパリ帰りの一流デザイナーが特別講義を行うことになっていた。期待に胸を膨らませていた生徒たちの前に現れたのは、なんと昨日裕子にズボンのお尻を縫ってもらったあの男、クロード片山であった。授業後、裕子は片山に声をかけられ、今度の自分のコレクションの準備を手伝ってほしいと持ちかけられる。張り切って引き受けた裕子は、その日から片山の仕事場で布地の仕付けを手伝うが、出来上がったものをチーフの依田(夏海千佳子)に見せると、やり直しの連続。及第したのはわずか数枚であった。

仕付けも満足に出来ないから帰ってもらった方がいいのでは、と片山に進言する依田だが、片山は「君に任せるよ」と言って出かけていった。裕子が依田に「ご迷惑でしょうか」と聞くと、依田ははっきりと「迷惑だわね。あなたの所だけ作業の流れが止まりますからね」と言った。「分かりました。失礼します」と部屋を後にし、階段を降りていた裕子に、先輩の一人・村田(森るみ子)が声をかけた。「ここで帰るか帰らないかが分かれ道よ。あなたが一人前のデザイナーになれるかなれないかのね」。出口のドアに手をかけたとき、再びその言葉が裕子の頭をよぎった。裕子は仕事場に戻り、依田に頭を下げてもう一度使ってくださいと頼み込んだ。裕子はそれから1週間、ほとんど連日徹夜して必死に仕事に取り組んだ。先輩の協力もあって、裕子はどうにか仕事をやり遂げることが出来たが、裕子が初めて体験したプロの世界は、学校では想像も出来ないほど厳しいものであった。


予告
「マドモアゼル通り」次回は・・・。クロード片山のコレクションの手伝いをした裕子は、自分のデザインのジャケットをプレゼントされた。そのデザインの盗作と寮規の問題で、学院は大きく揺れた・・・。


MEMO
またも新キャラクターが登場。名前はクロード片山、28歳・独身(←劇中の自己申告による)。前半では単なるヘンな男にしか見えませんが、中々やり手のデザイナーらしい。緒方信介とも繋がりがあるということで、信介の再登場にも期待がかかります。

フランス語の時間、代理の講師がまだクロード片山とは知らない裕子。パリ帰りの一流デザイナーが来るということで、「マドモアゼル・ミカミ、な〜んて言われちゃったら私ど〜しよう♪」と舞い上がっている裕子の陶酔した表情は見もの。ヒデコ(渡辺ふみ子)も呆れてます。

片岡咲子(山田はるみ)の部屋に、小野沢孝子(麻乃茉莉子)が訪ねてくるシーン。咲子はベッドの上で足を投げ出して座り、大きなクマの縫いぐるみの手を握ってレコードを聴いている。孝子が入ってくると縫いぐるみからサッと手を離します。

村田さん(森るみ子)は緒方服飾デザインスクールの卒業生。後輩の裕子が深夜まで頑張っているので、お寿司の差し入れを持ってきます。村田さんは緒方を卒業して3年、どこへ行っても「緒方の出身者は、センスは一流だが粘りが足りない、根性がない」と言われ続けてきたため、一度プロの厳しい洗礼を受けても再び「お願いします、使ってください」とドアを開けて戻ってきた裕子の姿を見てとても嬉しかったのです。ちなみに実年齢は森るみ子さん(昭26年生)の方が紀比呂子さん(昭25年生)より一つ下です。

紅理子さんが、クロード片山の仕事場にいる先輩の一人を演じています。

本作同様に服飾デザインの世界を題材にした映画『華麗なる闘い』(1969年東宝)の原作・有吉佐和子著「仮縫」(集英社文庫)のあらすじをちょっとご紹介。洋裁学校の生徒であるヒロインが突然一流デザイナーに目を付けられて引き抜かれ、その手伝いをすることになる。彼女は当初プロの厳しさを思い知らされるが、そこで努力を重ねて次第に頭角を現し、やがて師匠を出し抜いて独立するという野心を抱き始めるが、最後には大人の狡猾さを思い知らされる結果になる・・・というもの。もしかすると三上裕子にもこんな運命が待っているのか?。もちろん「マドモアゼル通り」の今後の展開は全く予想がつきませんが、次回以降のサブタイトルはなかなか印象的で、#13「喝采のあとに」、#14「バラ色の罠」、#15「明日に向って泣く」、#16「はるかに遠い星」と続きます。

初出・2001年8月30日木曜日




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