マドモアゼル通り
第3話「はじめての宿題」


キャスト
紀比呂子/徳永れい子・小林亜紀子/山田はるみ・谷岡行二/渡辺ふみ子・松平健/麻乃茉莉子・田中真規子/建部道子・遠藤孝子・(ナレーター)中村正/小林幸子・田中三津子/桜むつ子・桜田千枝子/弓恵子/大和田伸也


ストーリー
ナレーション「裕子の入学した緒方服飾デザインスクールの寮では、早々に自治委員の選挙が行われた。この選挙に咲子たちの陰謀が働いているとも知らず、裕子は張り切って自治委員の役を引き受けたのである」

自治委員に選ばれた三上裕子(紀比呂子)。前任者の片岡咲子(山田はるみ)は冊子を渡して「これに全部書いてあるわ。分からないことがあったら聞きに来てちょうだい」と言うだけで、大した引継ぎもなかった。翌日の寮の朝食時間、炊事当番が決まっていないため、朝食の準備が遅れてしまう。当番表の作成は自治委員の仕事だが、当番表が先週で終わっているということを、咲子は裕子に伝えていなかった。きちんと引継ぎをしてくれなかったことに不満を抱きつつも、裕子はその日自ら当番を引き受けて、責任を被った。まずは咲子たちの作戦成功。

麻子「うまく行ったわね」
咲子「まだまだ序の口よ。一年間じっくりあの人を苛めてやるんですから・・・」

その日の授業で、翌日までに各自デザイン画を20枚仕上げて提出という宿題が出された。かなり厳しい課題である。特に裕子は、アルバイトや自治委員の仕事も抱えている。それに対し、咲子は授業後、行きつけの洋品店のマダム(桜田千枝子)に宿題の肩代わりを依頼。咲子はこの店の上得意客で、デザイン画を店に用意してもらうのは毎度のことらしい。

裕子のバイト先の喫茶店“FULL FULL”。彼女の勤務は7時までの予定だったが、章吾(谷岡行二)の都合で8時半まで残業することになってしまった。寮へ帰ると、今度は寮長(建部道子)から、出先で財布を無くしたチエ(小林幸子)を迎えに行ってほしいという指令。これでは宿題をやる時間がなくなってしまう。広美(徳永れい子)やヒデコ(渡辺ふみ子)が代わりに行ってくれるというが、裕子は自治委員の仕事だから自分が行くと言って断った。

裕子が出かけようとした時、ちょうど寮へ帰ってきた咲子グループに出くわした。裕子の話を聞いた咲子は、車を貸してあげましょうか、と声をかける。だが、裕子は運転はできない。乗せて行ってもらえないかと裕子が頼むと、咲子は「私は運転手じゃないのよ」と言って断る。初めから裕子の手助けをするつもりなどないのだ。裕子はそれでもじっと耐えていたが、一緒にいたヒデコがたまりかねて、突然その場を飛び出し自分の部屋へ向かった。ヒデコは、裕子と広美に、自分が「大阪へ帰る」と愚痴を言ったら100円罰金を払うという約束をしていたが、彼女は今それをわざと連呼して自分のお金を箱に詰め、裕子に投げた。これを使ってタクシーで行け、と。

チエのいる店に着いた裕子。チエは学生の分際で毎晩酒を飲みに出ていることを裕子に咎められるが、本人にはそれほど悪びれた様子はない。だが驚いたことに、チエはデザイン画20枚の宿題をここで片付けてしまっていた。

チエを寮へ連れ帰った裕子は、ヒデコに礼を言って、宿題に取り掛かろうとする。広美とヒデコは手伝おうとするが、裕子は、宿題は自分でやらなくちゃと言って机に向かった。残り時間は睡眠時間を含めてあと8時間。この最初の試練を、果たして裕子は乗り切ることが出来るだろうか?


予告
マドモアゼル通り、来週は・・・。裕子は自治委員としてクリスマスパーティーの準備を始めた。だが、そのパーティーがミツオたちの不手際で危なくなった・・・。


MEMO
も〜〜山田はるみさんのイヤミなことイヤミなこと(笑)

ヒデコが「大阪へ帰る」と言ったら100円罰金というルール。最初の授業で宿題が出されたとき、デザインのストックを分けてくれと広美に頼むヒデコ。それを聞いた裕子は「ダメよ、宿題は自分でやらなくちゃ」と、丸めた大判の紙でヒデコの頭をぺしっと叩く。そして「大阪へ帰る?」と手を差し出す(=「100円くれ」)裕子。その手をパシッと叩き、「ウルサイ!」と返すヒデコ。二人の息はぴったりです。

洋品店で「またデザイン画20枚くらい用意してくれない?」と要求する咲子。マダムも「他ならぬお嬢さんのことですから、何とかしましょ」と応じてはいるが、「月謝の勿体ないお嬢さんだこと」とつい苦笑が漏れる。咲子は本当にデザインを学びたくて緒方に通っているのか、それとも単に信介(大和田伸也)が目当てか、はたまた裕子をイジめることが目的か?(最後のは後から加わった要素だが)。

授業が終わって、バイト先の喫茶店“FULL FULL”に行くためバスを待つ裕子。宿題のことが頭をよぎる。乗客の持つコーラ瓶、競馬新聞の○や△の印、バスの模様・・・それらが珍妙な服飾デザインとなって裕子の頭に浮かんでは消えるシーン、必死にイマジネーションを働かせようとして小難しい顔付きの裕子と、摩訶不思議なデザイン画との対比が面白い演出です。

初日から厳しい宿題を課されて不平を漏らす生徒達に、先生が投げかけた言葉。「限られた時間の中で、決められた仕事をやり遂げて、初めてプロと言えるんですよ。この程度のことでついて来られない人は、さっさとやめてもらいます。私は皆さんがどんな個性を持っているか、どの程度の実力をつけているか、それを早く知りたいと思っているんです。それが分からないと、一人一人にマッチした教え方が出来ませんからね。そういう意味でも宿題を出すんですから、皆さんも頑張ってついて来てください」。至極もっともです。

建部道子さん演じる、ヴィラカトレア寮のエキゾチックな寮長さんは研究科2年で、裕子たちの先輩。

咲子は電話で信介の居所を聞き出し、“FULL FULL”へやって来る。信介の姿を見つけるが、なんとその隣に裕子がおり、瞬間、驚く咲子。だが、よく見ると裕子はウエイトレスの姿をしている。アルバイトしているのだと納得すると咲子の態度は急変。裕子を押しのけて信介の隣に座ると、「私も信介さんと同じ物ちょうだい、急いでね!それからこのテーブル汚れてるじゃない、さっさと拭いてよ!」と偉そうな物言い。そして信介と強引に手を組み、「これから横浜までドライブしない?外国ムード100%の素敵なナイトクラブ見つけたのよ。バンドもいいし、ご機嫌で踊れるわ。ね、行くわね?」と一方的に彼を誘う。信介はあまり気乗りしないものの、結局は咲子に押し切られて付き合う羽目に。「じゃあ、すぐ行きましょ!」と、咲子は注文したラビオリも待たずに信介を引っ張って店を出て行く。咲子のあまりのワガママさに、怒るよりも呆れている裕子。口を尖らせて「ラビオリ と・り・け・し!」と嫌味っぽく言ってみせる裕子の表情が面白いです。ちなみにラビオリは“FULL FULL”のママが最もお薦めのメニュー。

中日新聞1972年11月2日付朝刊の紹介記事より。
 洋裁が得意という紀比呂子が、初めて憧れのデザイナー役になって張り切っている。名古屋テレビ「マドモアゼル通り」(12月3日から日曜後7・30)で、東京・砧の美術センターで撮影を開始した。
 デザイナー志望の少女(紀)が、洋裁学校に入り、一人前のデザイナーに成長していく過程を描く青春根性ドラマ。
 紀のほか黒沢のり子、徳永れい子、山田はるみ、小林亜紀子らのフレッシュな若手が顔を並べ、また、大和田伸也が洋裁学校長(木暮実千代)の一人息子で、ヨットデザイナーというカッコいい役で登場、紀の恋人となる。
 紀はCBC「アテンションプリーズ」、東海「コートにかける青春」など、青春根性ドラマには多く出演しているが、ファッション・デザイナーの役は初めて。彼女は簡単な服なら自分で縫ってしまうくらい洋裁が得意。
 「小さい時からしゃれた洋裁店を持つのが夢だったので、今度の役は楽しいわ。この機会におしゃれのセンスも磨きたい」
 制作局の大阪・読売テレビの矢部章プロデューサーによると「女の子達の憧れの職業は一にスチュワーデス、二にデザイナー」なんだそうで、ヤングの女の子達を画面にひきつけようという狙い。毎回、二十着近いドレスを紹介、若い女の子の流行をリードして行くという。
 スタジオ内は流行の衣装を着た若い女性達が右往左往し、華やいだ雰囲気の中で撮影が進んでいる。

初出・2001年6月28日木曜日




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