東宝映画友の会東京中央支部会報
「ほうゆう」その2


めいじんさんから、東宝映画友の会東京中央支部会報「ほうゆう」を4点提供して頂きました。1968年10月1日発行の第28号(まだ「ほうゆう」の名称はない)、1969年1月1日発行の第31号、同2月1日発行の第32号、同3月1日発行の第33号で、それぞれ1枚ペラまたは見開き4ページという体裁です。各号の注目記事を順番に紹介し、適宜コメントを加えています(「」マークの付いている箇所)。


第28号(1968年10月1日発行、全2面)

《1面より》
1968年7月21日、東京赤坂プリンスホテルで開催されたフレッシュスター撮影会のレポートと、優秀作品の発表。最優秀作品(上の写真)と優秀作品(下の写真)が紹介されています。モデル名の表記はありませんでしたが、友の会機関誌「東宝映画」1968年9月号にちょうどこの撮影会でのスナップがあり(下の画像)、これと対応させてみると、最優秀作品のモデルは牧とし子さん、優秀作品が高橋厚子さんと分かります。


左から佐川亜梨さん、宮内恵子さん、徳永礼子さん、牧とし子さん、高橋厚子さん。


第31号(1969年1月1日発行、全4面)

《2面より》
私の好きな写真 橋厚子
撮影してくださった方、ありがとう。私のいちばん好きな位置から撮っていただいた写真です。みなさん、いかがですか?「樹陰に佇む乙女」ってとこネ。何を考えていたのかしら、ずいぶん楽しそうな顔してるけど・・・。

貴重な高橋厚子さんのサイン入り。姓の漢字が“はしごだか”の「」ですね。本名はこちらの字なのでしょうか。芸名としては“くちだか”の「高橋厚子」で全ての映画にクレジットされており、宣伝材料や資料も全て「高橋」です。

《3面より》

当該作文のタイトルバックに使用されているスチール。映画『街に泉があった』(1968)の1コマだと思われます。
体当たり!厚子君(※会員による懸賞作文)
(前略)・・・可愛い細いあごが印象的なお嬢さんである。ちょっぴりおしゃれで、瞳のきれいな女の子だ。映画の話になるとその瞳が輝く。洋画のファンだそうである。邦画も割と丹念に見ている。なかなか手厳しい批評もする。そんな所を見ると、よく勉強しているなと感心する。会社ももったいないですな、こんな女の子をほっとくなんて。でも厚子君も欲がないのかな、つまらない清純派づらしているスターの鼻っぱしをへし折るくらいの芸ができると思うけどな。そういう印象を受けたのは『伊豆の踊子』のとき、台詞こそなかったけど、陰に隠れたあの淡々とした表情にはどこか光るものがあった。『育ちざかり』や『世界はボクらを待っている』などは厚子君の素顔がのぞいたようである。表情が小さい。厚子君の最大の欠点である、いや役者の欠点だ。「体当たり!」この精神があるといいんだがなあ。・・・(中略)・・・女優王国東宝も、宝を腐らせちゃもったいないと思うけど・・・(後略)

《4面より》
私の好きな写真 宮内恵子
この写真は、木陰から出た瞬間を捉えて頂いたものですが、ポーズは何気なく取ったつもりです。実際の私よりも大人っぽく撮ってくださったので嬉しく、安心しました。

これも貴重な宮内恵子さんのサイン入り。その後「牧麗子」「牧れい」と改名されていますので、とても稀少なものだと思います。


第32号(1969年2月1日発行、全2面)

2面より
年忘れパーティ’68
突然、会場の隅々でクラッカーの音。これを合図にゲームが開始されました。まず「みかんむき」。男女二人が一組となり片手のみを使ってみかんの皮をむくゲーム。フレッシュスターと組んだ会員は気もそぞろ。みかんより隣の人の方に気が行っていたようです。
これは年の瀬も押し詰まった27日、新宿コマ地階ダンス会館で行われた東京中央支部・年忘れパーティ《フレッシュスターと遊ぼう》のひとこまです。
パーティは道江室長のご挨拶に始まり、おなじみの加藤春哉さんの司会で内藤洋子・高橋厚子・小林夕岐子・宮内恵子・牧とし子・徳永礼子そしてコクのある男優・黒部進さんの各スターが紹介され、会員の中に入っていきました。
「みかんむき」の次は「ポスター合わせ」。スター1名、会員4名が一組となり釘の付いたカチンコに風船をはさみ、ポスター片のあるところで風船を割り、指定されたスターの顔の一部分を取って戻るゲーム。これにはユーモラスな場面が続出。風船があっちへ行ったり、こっちへ行ったり、スターが全然別人になったりして、大いにファンの皆さんを沸かせました。
また、ゲームとは別に、会場の片隅では、普段、手に入れることのできないポスター、カラースチールやスターの昔懐かしいポートなどの宣材が販売され、好評を博しました。お楽しみの福引が行われた後スターと会員が一体となってジェンカを踊り、記念撮影をして、年忘れパーティは無事に終了しました。

写真は「ポスター合わせ」ゲームの様子。酒井和歌子さんのポスターを見つめているのは小林夕岐子さん(写真左)と宮内恵子さん(中央)です。それにしても、小林夕岐子さんとペアで「みかんむき」ウラヤマシス・・・


第33号(1969年3月1日発行、全4面)

1面右下、高橋厚子さん筆による可愛いイラスト入り。

《2面より》
想うまゝに・・・・ 宮内惠子
(前略)・・・小学校2、3年の時、作文に「将来何になりたいか」について書いたことがありました。スチュワーデスか画家になりたい――その頃は真剣でした。スチュワーデスは制服が素敵で何よりも飛行機に乗って海外へ行けるってことなんです。画家に関しては、私は授業の中で図工の時間が一番好きで、よくデパートの展覧会に貼り出されたこともあり、自分の感じた物を好きな色で表現できるからなんです。表現といえば小学校5年の時、絵に表現するのはもとより演劇の中で自分自身を表現してみようと演劇クラブに入り勉強をするようになりました。現在こうなっているのはこの頃から興味があったのかもしれません。
  音楽に興味を持ち始めたのは、中学に入ってからです。その頃、歌手の物真似が流行っていてクラスのお友達にその上手な人がいました。私も真似てみましたが、私のは歌そのものより身振りの方が似ていると笑われました。それからというもの歌の方を勉強しようと専門の先生のレッスンを受けることになりました。まず、発声法、譜面の読み方など、全く基礎からのスタートだったので、思い通りには行きませんでしたが、現在の歌の勉強には大変プラスになっていると思います。
  デビューは映画の方が先になってしまいましたが、それと並行して歌のレッスンも受けています。ただ学校時代に趣味で劇や歌をやっていたのとは違い、プロとして責任をもって邁進して行かなければならないので、気持ちを引き締めております。・・・(後略)

記事のタイトルでは旧字で「惠子」と表記されていますが、本文中では全て「恵子」です。上で紹介した31号の本人サインを見る限り、「恵子」が正しいものと思われます。ちなみに、現在この旧字体を使われている女優さんとしては、岸惠子さんや高橋惠子(関根恵子)さんが有名です。

《2面より》
期待される二人の若者 東山敬司、斉藤宜丈


酒井和歌子の主演で間もなく公開される映画『恋にめざめる頃』には加山雄三、黒沢年男に次ぐべき明日の東宝映画をになう二人の若者が登場しています。一人は昨年の『兄貴の恋人』で内藤洋子の恋人役を見事に射止めた東山敬司。もう一人は、ニューフェース8期生の斉藤宜丈。今月は、このお二人を紹介しましょう。・・・(中略)・・・

現在、中央大学理工学部2年に在学中の斉藤宜丈さんです。
▼斉藤宜丈――昭和22年11月8日三宅島生まれ。夢はヨットで太平洋を横断することだそうだ。『恋に・・・・』では高橋紀子さんと共に若夫婦の役をやっている。

――初めて映画に出た時、どんな気持ちでしたか――

「もう、コチコチですよ。最高に弱ったのは撮影のときの専門用語ですね。これには、高橋紀子さんにずいぶん教えてもらいました。例えば『今度はオフで!』と言われても、ボクにはその意味が分からないでしょう。そんな時に高橋さんが『セリフなしでいくのよ』と教えてくれるんですよ。助かりましたね(笑)。いま僕の出演したシーンのラッシュを見たんですけど、何かぎこちない感じがしました。何て言うか、自分が醜悪って感じなんだな・・・。だからこれからは今以上に、全てのことを極限まで追求していこうと思っています。もちろん、映画だけでなく、日常の出来事全てを」

――ではどのような時に幸福感を味わいますか――

「何と言ってもヨットに乗っているときが一番ですね。ヨットと言うと皆さんは何か楽しいことのように思っているようなんですけど、あれで凄く大変なんですよ。船底を磨いたり、整備したり、炊事をしたりで。だけど疲れて陸に上がった時なんかいいですよ」

――最近観た映画について――

「『ロミオとジュリエット』のジュリエットになった娘、オリビア・ハッセイですか、可愛いですね。劇場に入ってしばらく立ったままでしたよ。ゴダールのもよく観ますよ。でも問題意識が強すぎる感がありますね。彼の映画には少し“安らぎ”が欲しいな」

斉藤宜丈(のぶたけ)さんは、『決戦!南海の大怪獣』で、セルジオ島の若者リコを演じ、同じく島の娘サキ役の小林夕岐子さんと共演されています。実年齢では小林夕岐子さんの方が一つ年上だったのですね。ちなみに斉藤宜丈さんは、特撮関係では『ゴジラ対ガイガン』(1972)や、『帰ってきたウルトラマン』3話「恐怖の怪獣魔境」(1971)にも出演されています。

春の東宝スター撮影会のお知らせ


春の東宝スター撮影会の告知広告。当日の模様は1969年5月1日発行の「ほうゆう」第35号3面でレポートされていますのでそちらをご覧ください。

《4面より》
CLOSE-UP
■高橋紀子・高橋厚子さんは姉妹ですか?とよく聞かれる。なるほど二人はどことなく似ていますね。この二人『恋にめざめる頃』に仲良く出演。しかし残念ながら同じ画面には登場しません。でも、二人の姉妹役なんて面白いかも知れません。期待しましょう。

■“歌うスター”が電波を駆けめぐる昨今、松本めぐみさんがこの程、キングでデビュー曲『愛のくちづけ』と『スプーン一杯の恋』を吹き込みました。軽くビートの利いたこのレコードが発売されるのは4月20日。皆さんも聞いて見てはいかがですか?

『愛のくちづけ/スプーン一杯の恋』は松本めぐみさんの唯一のシングル盤ですが、現在では大変なプレミアが付いています。『スプーン一杯の恋』は2002年6月にスカパーの「STARdigio」でオンエアされ、私はこれで初めて聴くことができました。本曲が収録されたオムニバスCD(「'60キューティ・ポップ・コレクション Suki Suki Edit」キングレコード、1995年)も現在入手困難となっています。

ふぉとじぇにっく 牧とし子
牧とし子、19歳。R&Bに酔いしれ、一人孤独をも愛する女の子。クロード・ルルーシュの映画を愛し、フランスへ旅を夢見る。夏が好きだと言う。これからが彼女の季節・・・・。


当時19歳と言うことは、1948〜1949年生まれとなります。ニューフェイス8期ということ以外に詳しいプロフィールは不明ですが、エキゾチックな顔立ちと長い黒髪がとても印象的で、私にとってずっと気になっている女優さんです。




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